日々是好麺S谷の食べた麺の記録。
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■豚つけ/1000円 『六厘舎』系列の新業態店が、先頃閉店した『舎鈴 新橋西口店』跡地でスタート。食べに行った日はまだ屋号が決まっておらず、『舎鈴』の看板を天地ひっくり返した状態で営業していた。『六厘舎』を創業した三田店主が久しぶりに厨房に立っていることも話題になっている。 提供しているのは「魚介不使用」という完全新作のつけ麺のみ(トッピングのバリエーションはある)。 食べてきたのは肉増しの「豚つけ」。肉はいわゆるチャーシューではなく、切り落とし肉を茹でたもの。肉を増したせいだろうが、つけ汁の中は具材だらけで豪華な反面、麺をつけづらい。つけ汁はやや単調な印象ではあるが、紫蘇や鷹の爪がいいアクセントになり面白い味ではある。肉は茹ですぎたのか固くあまり好みではなかった。 スープ割りを注文したら、意外な味で意表を突かれた。これはおそらくお茶……。ほうじ茶だろうか。変わった味だが、ピリリとしたスープと意外にマッチしていて面白い。 ■孫作
■半熟煮玉子らぁ麺/900円 昨年11月にオープンしたお店。場所がわかりにくく、浦和駅西口を出て旧中山道を北上、六間通りとの交差点手前の路地を右に入ったところにある。暮れに近所を散歩していたカミさんが見つけて教えてくれたのだが、よく気付いたなと驚いた。 しばらくの間は醤油/味噌の2本立てでやってきたが、暑くなる季節を意識してか最近は醤油/塩の2本立てに変わっている。この日は3度目の訪問で、注文したのは醤油味の「半熟煮玉子らぁ麺」。チャーシュー替わりの大きなつくねを見ればわかるように、なかなか個性的なラーメン。スープの土台は鶏のようだが油はかなり控えめ。そこに煮干しや昆布が主張し、強めの醤油ダレと相まって、まるで関東風のうどんつゆのよう。さらに合わせる麺は「無かんすい麺」。乱暴な言い方になるが、定義的には無かんすいの中華麺は「うどん」と同じもの。この麺の食感がなおさらこの一杯を「うどんみたい」と印象づける。オリジナルなおもしろい一杯だとは思うのだが、個人的にはもっと醤油が抑えめになっている方が好み。ひょっとしたら塩味では印象が違うのかな? いけ麺さんのところによると、店主はちゃぶ屋出身なのだそうだ。であればけっこうな引き出しを持っている方なのだと思うが、どうしてこういう変わったラーメンを作ることにしたのだろう? ■味六屋
■淡麗 塩 太麺/850円 4月末にオープンしたばかりの新店に2度目の訪問。前回は「淡麗 しょうゆ」を食べてきたので、今回は「淡麗 塩」を注文。ついでに「かえ玉(イベリコ豚)」も食べてみた。 麺の太さを尋ねられたので、前回は選べなかった太麺をチョイス。「かえ玉はラーメンと一緒にお出ししていいか」と言うので、後にして欲しいと答えると、何でも茹で時間が7〜10分かかるので一緒に出させて欲しいという。 ほどなくして「淡麗 塩」が登場。遅れること1〜2分で「かえ玉」も提供された。やや澄んだスープは魚介と動物系を使ったもので、バランスよくまとまっている。アサリを使っているとのことで、貝類っぽいビターな風味も出ている。大根にレンコン、水菜などを美しく盛り付けたオシャレなラーメンで、先日食べた「淡麗しょうゆ」同様に万人受けしそうな一杯だ。卓上の説明書きには2種のチャーシューが入る旨書かれていたが、塩味では豚バラチャーシュー1枚と、紫蘇風味の鶏つくねが入っていた。どちらも美味い。太麺はモチモチした食感で、美味しく頂きましたが、細麺の方が合うとは思う。
■かえ玉(イベリコ豚)/450円 イベリコ豚の「かえ玉」は、焼いた豚肉やネギなどをネギなどをあしらい、タレ(香味油?)を和えた平打ち麺。いわゆる「替玉」ではなく、味付け麺とトッピングを和えてそのまま食べる麺ということ。要するに麺少なめの油そばをもう1杯食べてきたという形だ。豚の脂の甘味とほどよい塩味が気に入ったが、ラーメン一杯食べた後に450円の油そばを食べる気になるかというと微妙。残ったスープに入れて試してもみたが、やはりオススメ通りにそのまま食べるので十分だと思った。いわゆる「麺のおかわり」としての替玉でなくサイドメニューの麺ということか。それならラーメンと一緒に出てくるのでも、いい……の…か…な? まぁ、実態は少なめの油そばだったのだが、「油そば(小)」という名前で販売されていたら注文していなかっただろう。販売戦略にしてやられたというわけか……。 ラーメンの麺の量は並/中盛が同料金。おなかいっぱい食べたい人には「かえ玉」以外にも選択肢が用意されていることも一応書いておこう。 ところで「かえ玉」の器は大きすぎ。ラーメンの器と一緒にトレイに置きやすいサイズにすべきかと。また、注文時のナンバープレートはやめといた方がいいのでは。この日もちょっとおかしなことがあったし、トラブルの原因になりそうだ。 ■案山子
■ベジ豚そば/680円 上野の『麺巧 潮』の店長が独立し、そのまま店舗を引き継ぐ形でオープンした新店。「醤油そば」「海老薫る白だしそば」に続く3つ目のメニュー「ベジ豚そば」の販売が始まったので、さっそく食べに行ってきた。 『潮』の「鶏白湯そば」を思い出すルックス。豚骨スープに豆乳を合わせ、ブロッコリーやグリルした野菜、揚げた牛蒡などをトッピングした創作ラーメンだ。パッと見は動物系食材のトッピングなどは入っていないが、豚骨スープを使っているので動物系食材不使用ということではない。クリーミーで洋風テイストのスープに、揚げタマネギやパセリの薬味がうまくアクセントになっている。『潮』の「鶏白湯そば」が好きだった人には必ず刺さりそうな一杯。美味しゅうございました。 ■中華そば 多繋
■豚骨魚介/850円 今回も店主の気まぐれ限定メニュー。1年半ほど前にもやっていた(という)豚骨魚介の復刻版なのだそうだ。カツオなど節系の風味を加えたまろやかな豚骨スープで、とても好み。渋谷で創業した当時の『凪』の「豚骨麺」を思い出す、そんな一杯だった。最近こういう豚骨ラーメンは珍しくなったように思えるが、美味いですね。 ■さんじ
■ラーメン(醤油)/750円 北千住駅より徒歩10分くらいかな? 日光街道の千住寿町交差点の近くにあるお店。小さなお店で看板もなく、パッと見ただけではラーメン店であることがわかりにくい。『Cielo(シエロ)』というカラオケバーの看板の隣、入り口の自転車が目印だ。注文の仕方が独特。入り口横にあるエアコン室外機の上にメニューが書かれた箱がいくつか置いてある。目当てのメニューの箱の中からプラスチックの札(食券)を取り出して待ち、席についてから札とお金を渡す仕組み。カウンター5席のみの小さなお店だが、店主ひとりで切り盛りしているので回転は遅い。今日は店外に4人並んでいたが、席に着いてラーメンが出てくるまで30分以上かかったと思う。 注文したのは基本の「ラーメン」。泡立つような濃厚クリーミースープに、ややグレーがかった中太ストレート麺を合わせた醤油ラーメン。濃厚でインパクトのあるワイルドなラーメンを想像したが、動物系の臭みなどは一切なくまろやか。魚介ダシの風味が品良く出ており、濃厚さと上品さを両立させている。麺の香りも味わえ、豚と鶏のチャーシューもしっとりしており柔らかい。ってか、美味いぞ。 厨房で調理する様子を見ていたら、最後に香味油のようなものをかけていたように思う。それも醤油ラーメンと塩ラーメンでは違う器から油(?)を出していたように見えた。どんな味なのだろう? あぁ、このお店のラーメンをいろいろ食べてみたい! 時間が出来たらまた行ってみよう。 ■こばやし
■ハワイアン・ガーリックシュリンプ/1000円 店主のきまぐれ限定メニュー。どうやら店主は連休中にハワイに行っていたらしい。そのハワイの名物ローカルフード「ガーリックシュリンプ」をテーマにした創作ラーメンだ。 海老のスープにニンニク風味の香味油を浮かせ、固めに茹で上げた細ストレート麺を合わせたラーメン。香味油は「スペ」などで使っていたものが土台になっているのかな。トッピングは辛味のない刻みタマネギに、低温調理したチャーシュー数枚、青ネギという『さんじ』おなじみのパターン。文句のない美味しい組み合わせ。とても美味しく頂きましたが、昔現地で食べたガーリックシュリンプを思い出すと、なんかちょっと違うような……。「ハワイアン」と銘打つなら、何というかもっとこう、オアフ島のノースショアに行ったような気分にさせてほしいのだ。 ■さんじ
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