日々是好麺S谷の食べた麺の記録。
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金曜『めじろ』の名物が、その日限りの創作メニュー。今回は「冷やしらちゃん麺」。840円分の食券を買い、食券を手渡す際に口頭で注文する仕組み。今回は10食分用意しているという。 出てきたのは小降りの器に入った、白いもので覆われた冷やし醤油ラーメン。この白いものが「らちゃん」とのこと。具体的な製法は秘密だそうだが、すりおろした山芋をベースにしており、白身魚の風味を加えたものらしい。山芋のとろろよりも食感は柔らか。泡っぽい舌触りが持続するので、白身魚のだし汁に卵白でも混ぜているのかな? スープは節系ダシの風味が深くでているもの。よく冷えているが、表層には凝固した脂などはない(若干出ているのはチャーシューや揚げネギによるものだろう)。冷やし用のスープは動物系食材の使い方にかなりの制約が出てくると思うのだが、じゅうぶんにコクもある。どうやって作っているのだろう……。麺は冷水で締められているので、普段の温かいらーめんとは違ったソリッド感がある。麺だけ食べたり、らちゃんを絡めて食べたりと、食べ方によって食感や風味の変化が楽しめる。食べ進めると、今度は煮干しの風味が増してくる。「煮干しら〜めん」と同じように、器の底に敷き詰めた煮干し粉が舞い上がってきたのだろう。最後まで飽きさせない一杯だった。美味しゅうございました。 どうも職場にカメラを忘れてきたようで、うらちゃんさんにカメラを貸りて撮らせてもらいました。ありがとうございました。
「こってりしろ八麺(850円)」。天然素材だけでダシをとった繊細な醤油らーめんをベースに、背脂を散らした具だくさんの豪華バージョン。一口目のインパクトはないけれど、ついつい最後まで完飲してしまうじんわり優しい味わいを優先して作られている……というようなことを書くのは何度目だろう。そのくらい、大好きで通っているお店。 5/3〜6は「店主補修のため」GW休業。毎月トッピングの野菜が変わるけれど、5月の野菜は連休明けに切り替える予定とのこと。この日の段階ではまだ何を使うか決まっていないらしいけれど、いろいろ面白そうな候補があるようで楽しみ。
取引先の担当課長が相当なジロリアン。先日も勤務先を訪れた際に、 「一之江のアブラがヤバイ」 「汁なしもある」 ってな感じで一之江一之江と連呼するものだから、夜に一之江まで行ってきましたよ。 で、行ったら閉まってたわけだ。呆然としつつ「らーナビ」を見ると、水曜定休らしい。せっかくここまで来たのでどこか何かないかと、そのままらーナビで探して行ったのがこの『めんや もも』。 都営新宿線一之江駅から10分ほど歩いた場所にあるかわいらしい感じのお店。入り口に書かれた桃のイラストがバーミ○ンを彷彿とさせる。らーナビの事前情報によると、どうも塩がオススメらしい。「らーめん(塩)(680円)」の食券を購入し、カウンター席につく。らーナビのクーポンを使って温玉のトッピングをサービスしてもらう。 鶏油で黄金に輝くスープ。トッピングはほうれん草とチャーシュー、刻み玉ネギ、温泉玉子。固めに茹でられた細めのストレート麺を合わせている。鶏油が効いているため最初は鶏メインのスープかと思ったが、他にもいろいろ入っているはず。おそらく無化調だと思われるが、さまざまな天然素材からしっかりダシをとっているようで旨味はじゅうぶん。やや強めに風味を付けた鶏油でまとめ上げている感じ。スープには細かい白い欠片が浮かんでおり、最初は背脂かと思ったがよく見ると鶏挽肉。これが麺に絡むとコシのある麺の中にキュッキュとした食感が加わり楽しませてくれる。らーナビには「魚粉」とか「インパクト」とか書いてあったが、そういったキーワードから連想される味ではなかった。オープンしてから数年経っているお店らしいので、レシピもだいぶ変化したのであろう。 ほうれん草もしっかりアクが抜けており、スープとよく馴染み美味しい。チャーシューはバラ肉を使っており、柔らかく煮込まれている。味もしっかりついているが、スープの風味を壊すことがないバランスよい仕上げ。刻み玉ネギもスープの薬味としてちょうど良い。 美味しゅうございました。僕の好みのストライクゾーンを射抜かれた感じ。一之江二郎が水曜定休でなければ縁がなかったお店であろうが、結果的に大満足。いやぁ二郎が休みでよかった。
昨日自由が丘にオープンしたばかりの『せたが屋』グループの新店。今度は味噌ラーメンの専門店とのこと。すでにいろいろなブログでレポートされている通り、アツアツに熱した南部鉄器で出されるという珍しいスタイル。店内には4人がけのテーブルがふたつと、カウンターが7席。食券制。オープン直後だけあってか、厨房では前島店主が自ら腕をふるっている。メニュー構成は「味噌らーめん」と「にぼ味噌らーめん」のふたつを軸に、鶏チャーシューが入った「Wチャーシュー」バージョンやトッピングでバリエーションを持たせている。 『せたが屋』グループといえば、魚介系素材。当然イチオシは「にぼ味噌」なのだろうが、こちらはたくさんレポートされているのであえて逆を選択した。Wチャーシューバージョンにしか入らないという鶏チャーシューにも興味があったので、「Wチャーシュー味噌らーめん(1080円)」の食券を買い、カウンター席に着く。 熱した南部鉄器は木箱に入れて提供される。器は熱いので触るなという注意書きがいたるところに貼られているので、石焼きビビンバのようにジュージュー言いながら出てくるのかと思ったが、さほどでもない。トッピングが豪勢。スライスした豚肉のチャーシューに、一口大の角切り鶏チャーシュー。味玉1/2個に青ネギ、焦がしネギ、海苔、肉味噌。さらに、スープと一緒に煮込まれたニラ、モヤシ、キャベツ、タマネギが入っている。スープの味はまろやか。中太のストレート麺があわされている。この麺がかなりしっかりした歯ごたえがあり、熱い器の中でも最後まで食感が変わらない。前評判通りに伸びにくい不思議な麺だ……っていうか、美味しい。 麺にトッピングを絡めると、幾重にも変化する味を楽しめる。焦がしネギを絡めると香ばしくなるのはわかるとして、驚いたのがチャーシュー。魚介ダシの味が染みこんでおり、肉を食べると一気にニボニボした風味が広がる。こりゃダブルテイストを通り越してトリプルテイストなのかと思ったが、肉味噌を溶かしてまた驚いた。辛味とコクだけでなく、ニボニボ感が加わる。クァドラプルテイストと言ってもよいのでは。 最近はいろんなお店で美味しい味噌ラーメンを食べられるので、最初にスープをすすったときには普通に美味しいまろやかな味噌スープとしか思わなかったのだけれど、『せたが屋』グループらしい幾重にも重なる魚介風味攻撃に完全にやられてしまった。いやぁ美味しゅうございました……っていうのは当たり前か。とっても楽しめました。
駒場東大前の『嚆矢』で「香麺(900円)」を食べてきた。いわゆる油そばのスタイルで、オリジナルの香辛料「辣椒(ラーチャ)」やスープが付き、それを使って味に変化を付けて楽しませるメニュー。ここの店主は経堂の『はるばるてい』出身で、メニュー構成も修業先によく似ている。『はるばるてい』にも「香麺」があったはずだが、確かあちらではキュウリ(オイキムチ?)がトッピングされていたように思う。 トッピングは海苔にメンマ、ネギ、2種類のチャーシュー。チャーシューはおそらく鶏と豚の2種類で、それぞれローストして仕上げたものを細くカットして入れている。説明書にあるとおり、まずは海苔を辣椒の皿に移して麺をかき混ぜる。「麺全体にタレが絡んでまんべんなく茶色になったら食べ頃」との説明だが、さほど茶色くなるわけではない。この段階で少し食べてみたら、味はしっかりついている。油からはネギの香りがするように感じた。 まずは説明書きにあるとおりの最初の食べ方。海苔を細かくちぎって麺にふりかけ、辣椒を少量加えて食べてみる。すっきりとした辛さが味わえる。うまく説明できないけれど、もともとあったアジアンテイストも強調される感じ。 次に、卓上の酢を加えて食べてみるが、辛さがもっと欲しくなったので辣椒を酢で溶いてかけてみた。もともとの味付けからは大きく変わってしまうが、これはなかなか面白い味。トッピングのチャーシューはこのくらい強い味を付けた方が美味しいように思えた。ほとんど麺を食べ終えてから、最後に残ったスープを麺に注いで食べてみた。これはなんかとらえどころのない不思議な味。特に印象には残らなかった。 美味しいとは思うのだが、このボリュームなら900円は高く感じる。もう100円高い「わんたんめん」では気にならなかったので不思議なものだ。
「まさかこんなところに…」と思う場所にあるお店。住宅街の突き当たりにあるマンションの敷地に入ると、とつぜんラーメン店が現れる。立地の悪さか、店内には客の姿がない。麺や具材を作り方について説明書きが貼られていることから、店主は相当こだわりをアピールしたいのだろう。驚くのは、卓上にコショーや一味と一緒に、染み抜き液が置かれていること。スープが服に跳ねて染みができたときにつかうのであろうが、こういうサービスは珍しい。 「塩だれ味玉つけめん(800円)」の食券を買って席に着く。麺は自家製の中太麺。説明書きによると「モチモチ感」を出しているとのことだが、どちらかというとモチモチした弾力よりもふんわりとした柔らかさが目立ったように思えた。トッピングは海苔、メンマ、チャーシュー。チャーシューはロールしたバラ肉を炙ったもので、厚みはさほどないが香ばしく、適度な歯ごたえもあって美味しい。味玉はつけ汁に浸かっている。黄身の半熟具合はゼリー状という感じ。けっこう中まで味が染みていて美味しい。 つけ汁は動物系と魚介系の素材を使用したスープをベースにしたもの。節系の味が強く出ている。酢の味が強く、濃いめの塩味と相まってかなりキレがある感じ。ちょっと塩っぱいと感じる人もいるかもしれないが、つけ汁と麺のバランスは普通によく美味しい。スープ割りをしたけれど、そのまま飲むには酢の味が少々キツ目に感じた。 店主は噂通りにかなり無口。無口なのは別にいいが、せめてスープ割りを注文するときなど返事をしてくれてもいいのではないかと。聞こえてないのかと思った。 食後、しばらく下北沢をブラブラしていたら、市場から開かずの踏切を渡って右に曲がったところに『CHABUTON』ができてて驚いた。
新宿御苑大木戸門近く、『黒船』跡地に本日オープンした新店。サンミュージックの1Fといった方がわかりやすいかな。昔の映画のような看板を掲げた外装に、レトロなホーロー看板。昭和をイメージしたお店とのこと。屋号のフルネームが長い。「東京昭和浪漫魚薫醤楽旨麺 年中夢求KONPEI」と書いて「とうきょうしょうわろまんしょうゆらーめんねんじゅうむきゅうこんぺい」らしい。カウンター10席。食券制。 オープン初日だけあってなかなか盛況。看板が「準備中」になっていたのはご愛敬か。メニューは「らーめん」と「つけめん」を軸に、トッピングでバリエーションを持たせる構成。日替わりの限定なども計画しているようだ。他に、チャーシュー丼やたまごかけご飯などのサイドメニューもある。らーめん、つけめんともに並で200g。中盛は300gで無料。大盛は400gで100円増しらしい。ちなみに200gとは一般的にはじゅうぶん中〜大盛りで通用するボリュームなので注意。 「とろ煮玉子らーめん(780円)」の食券を買って席に着く。昭和の東京風と名乗る割には太めの縮れ麺が合わされているが、コシのある食感は返ってよい感じ。トッピングは刻み海苔、チャーシュー、メンマ、ナルト。魚介風味の油が効いた醤油らーめん。ややオイリーな感じがするが、魚の風味はけっこう強め。スープはどこかのお店にものすごく似ている。だけれどどこに似ているか思い出せない……。 営業時間は11:30からスープ切れまで。年中夢求(ねんじゅうむきゅう)らしいが当面は日曜日が定休となる。
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